レガシーシステムからのモダナイゼーション。現場の声を反映した「代金回収システム」構築

- 企業名:福井ネット株式会社 様
- 業種:情報・通信
- 従業員数:社員 66名
福井ネット株式会社
1997年設立。福井銀行グループの関連会社として、決済業務に関わるサービスを提供する「NBMグループ」、コンピュータシステムに関するソリューションを提供する「ICTSグループ」、IT業務の提案・推進により、顧客の課題解決を実現する「DXグループ」の3つのグループを主軸として事業を展開。経営方針は「お客様一人ひとりのファーストコールパートナーを目指し、ICT に関する課題を持つお客様から『一番最初にご相談され』『お客様と一緒になって考動し』『解決するサービスをご提供する』ことを通じて、地域の発展に貢献する」。

福井ネット株式会社 本社社屋(福井市春日町)
システム導入の背景や活用方法、今後取り組みたい施策について、NBMグループVANチームチームリーダーの今井様をはじめとする従業員の皆様にお話を伺いました。
Q.今回は「VANチーム」で使用するシステムを導入されたということですが、「VANチーム」ではどのような仕事を行われているのでしょうか。
VANチームでは、全国どこの金融機関からでも、迅速かつ正確に集金を代行処理する「代金回収サービス」を行っています。当社がお客様の顧客の取引金融機関から口座振替によって代金を回収し、ご指定口座に一括で入金するというサービスです。お客様にとっては、集金業務が合理化されるほか、取引先の一元管理にも役立てることができます。

福井ネット株式会社の皆様
Q. 今回のシステム導入の経緯を教えてください。
元々INS廃止時期に合わせて、古くなったシステムを刷新しようと考えていました。当社の場合は、お客様のお金を取り扱うということもあり、100%間違いなく、正しく業務を遂行することが求められています。これまではお客様が記入した「口座振替依頼書」を紙でお預かりし、それらをすべてスキャンしてから登録作業を行う必要がありました。間違いがあってはならないため、お預かりしたデータは必ず社員が目視で確認する必要がありました。また、作業に応じて複雑な画面操作を行う必要があり、手順を覚えるだけで大変です。属人化している状況を改善し、業務効率化とペーパーレス化などの経費を削減していくためにも、新システムの導入を決めました。
Q. NTTデータ北陸へ依頼した決め手は何でしょうか。
今回のような大規模なシステムを構築していくためには社内だけでは対処することが難しく、いざとなったときに安心して任せることができる、しっかりと実績のある会社にお願いしたいと感じていました。元々NTTデータ北陸とは今回のシステム以外にも付き合いがあり、周囲の企業からも良い評判を聞いていました。最終的にはコンペで決定しましたが、出していただいた提案もすばらしく、高い実績があるNTTデータ北陸なら良いシステムを作ってくれるだろうという安心感が決め手につながったと思います。

チームリーダーの今井様
Q. 導入されたシステムについて教えてください。
これまではお客様にExcelで口座引落依頼等のデータを作成していただいていましたが、新たなシステムではWEB上でマスタを作っていただき、そこからデータを作成していただく方式を採っています。また、これまではミスがないように件数や金額が一致していることを社員が必ず目検していましたが、システムで自動化されているため、必要なくなりました。複雑な画面操作はなくし、画面に応じてボタンを押していくだけで作業が進み、一画面で操作が完結するようにしています。

「大変使いやすい」とご好評いただいた代金回収システムの画面
また、以前はお客様が誤った情報を入力していた場合でも当社にデータが届く仕様になっていたため、なにがエラーになっているのかを調べ、再度お客様に連絡する必要があり、非常に手間がかかっていました。現在のシステムでは、入力が誤っていた部分は赤く表示されるため一目で修正箇所が分かりますし、お客様側でエラーチェックをしていただけるようになっています。
これまでは当社の進捗状況などをお客様から電話で問い合わせいただくことが多かったのですが、新システムに変えたことで、お客様側でも進捗状況をリアルタイムで見ることができ、そういった問い合わせも少なくなりました。
Q. システムを開発するにあたり、印象に残っていることはありますか。
いろいろ思い出はあるのですが、特に印象に残っているのは「目検を今後も行っていくのかどうか」という話し合いのときですね。1円たりとも間違ってはいけない作業のため、開発当初は、従来どおり目検は行っていく方向で開発が進んでいました。
ただ、これを続けていると脱属人化にならないですし、効率化のためにもなくすべきではないかとNTTデータ北陸の開発担当者から提案いただき、導入するか否かで意見が分かれたんです。
そのときに担当の惣宇利(そうり)さんが「業務効率化のためにも、NTTデータ北陸のシステムを信用し、目検はなくしていきましょう」と現場の声をあげてくれました。結果として、そこが分岐点となり、目検は廃止する方向に決まりました。

「業務の効率化が長年の課題だった」と語る担当の惣宇利(そうり)さん
NTTデータ北陸の開発担当者の方は、当社にとって必要となる意見をしっかり言ってくれ、また現場の意見をちゃんと受け止めてくれる方でした。「できません」とは言わず、「どうやったら実現できるのか」を試行錯誤してくれましたね。せっかく現場が改善点の要望を出したとしても「これは無理です」と言われてしまったら、現場は声をあげることを諦めてしまうと思うんです。担当の方が要望を受け止め、真摯に対応してくれていたからこそ「本当に良いシステムを作りたい」という共通認識が両者にでき、結果的に満足するシステムを作ることができたと思っています。
また、システム開発後も親身になってサポートしてくれ、分からない部分があれば丁寧に対処方法を教えてくれます。通常のシステム会社の場合、完成したら終わりというところが多いと思いますが、NTTデータ北陸の場合は後のフォローもしっかり対応してくださっているのが、大変ありがたいです。

NTTデータ北陸の開発担当者との打ち合わせの様子
Q. システムを導入してみて、いかがですか。
以前は専門用紙と専用のプリンターを使用していましたが、現在は複合機とA4用紙以外はすべて必要なくなりました。
ペーパーレス化による経費削減や、業務の効率化はもちろんですが、目検がなくなったことにより従業員に気持ちの余裕が生まれたことも大きいと感じています。作業時間が短くなった分、他の業務を行うことができるようになりました。
現場からは「作業がしやすくなった」という声があがっており、お客様からは「進捗状況が分かりやすい」など、評判の声をいただいています。当初の目的だった脱属人化と業務効率化、事務手続きの簡略化などを達成することができる、良いシステムができました。

「システム導入のおかげで格段に作業効率が向上した」という喜びの声も
Q. これから取り組んでいきたいことはありますか。
新システムは、2023年10月よりリリースされたばかりなので、しばらくは細かい改善をしていきながら、今後の数十年先を見越して、会社やお客様にとってプラスとなるような機能や項目をアップデートしていきたいですね。今後も一緒に考えていってもらいたいと思います。