株式会社 芝寿し 様


予約タブレット導入により、業務効率化、脱属人化を実現。ひとり情シスと共に成し遂げたデジタル化への道。


株式会社 芝寿し 様
業種製造:小売
従業員数:正社員約60名、パート約500名
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芝寿し様
株式会社芝寿し(しばずし)は、石川県金沢市に本社を置く寿司弁当を製造・販売する企業。笹の葉でくるんだ押し寿司 「笹寿し」や、季節感のある各種お弁当の販売を行う。代表商品の笹寿しは年間 1,100万個以上を製造し、「雨が降ったら当日キャンセル OK」「空の弁当箱の回収」などお客様に寄り添ったサービスを提供している。現在は直営店29店、FC店18店を展開。(2022年12月時点)

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システム導入の背景や活用方法、今後取り組みたい施策について、経営企画室の小川さんにお話を伺いました。

Q.システム導入の経緯を教えてください。

当社の強みは「寿し・弁当」といった商品だけではなく、お客様のニーズに寄り添った柔軟なサービス提供も強みの一つです。「少量から数千個単位の注文可」「雨が降ったら当日キャンセルOK」「空の弁当箱の回収」「商品のアレンジ(内容変更、のし対応)」など、お客様からの「芝寿しだったら何とかしてくれるだろう」に対応しています。

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経営企画室 小川さん

Q.NTTデータ北陸へ依頼した決め手は何でしょうか?

当時システム担当者は私1人で、依頼をしたくてもどのような段取りで進めていくべきか分からず、四苦八苦している状況でして…そんな時にお声がけいただいたのが、NTTデータ北陸でした。大きな投資になるため、複数のシステム会社からご提案をいただきましたが、柔軟にシステムを作っていただけそうなことに加えて、当社の状況を理解し、丁寧に寄り添ってくれたことが決め手につながったように思います。

システムを導入するにあたり、既存システムからデータベースを移行し、その後新たな機能を随時追加していく形で進めていきました。「できるだけ現場に負担をかけない形でシステム移行と業務移行を行っていく」という提案をしてくれたのはNTTデータ北陸だけでしたね。1人しかいないシステム担当者としては、開発と現場導入をスムーズに進められるということは非常に大きなポイントでした。

店舗へ導入した予約タブレットは県の補助金を活用していますが、この補助金の申請についてもかなりサポートをしていただきました。中小企業にとっては少なくない投資が必要になるからこそ、しっかりと資金調達の部分までサポートしていただけたのは大変助かりました。

Q.導入されたシステムについて教えてください。

店舗での予約受注と本社での受注確定作業における属人化からの脱却と省力化を目的として、直営店全店に予約タブレットを導入しました。予約タブレットの画面は、各店舗の販売員がお客様のご希望に沿って入力するか、お客様自身が入力できるようになっています。「申込者名」「受取日」「商品選択」などの基本的な項目はもちろん、前述した「雨が降ったら当日キャンセル OK」「商品のアレンジ(内容変更、のし対応)」などの各サービスについても簡単に入力することができます。手書きで受注をしていたときは、場合によっては文字が判別できず苦労していましたが、そういった不具合が一切なくなりました。

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実際に使用されているタブレット①

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実際に使用されているタブレット②

注文完了後はタブレットのデータが自動で本社に送付されるため、本社の受注係も最終チェックを行うだけで業務が完結します。これにより従来比で約35%業務を効率化することができました。併せて人員もこれまでの3分の1程度で対応可能になっています。

また、販売員向けの機能としては「商品ごとの販売休止の自動設定」「お客様情報の検索機能」「宅配送料の自動計算」「本社への申し送り事項」などの機能を設けています。例えば「販売休止の自動設定」。これまではその日どの商品が販売できないのか、本社から店舗にFAXで伝えていました。これがひと目で確認できるようになったため、販売員も安心して接客することができ、注文ミスの削減にもつながっています。

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「タブレット導入のおかげで接客がスムーズになった」という販売員の声も

Q.システムを導入するにあたり、大事にされていたことはありますか?

今回一番大切にしていたのは徐々に進化していけるシステムを作り上げるということでした。複雑なルールを一つずつ確認し、プロトタイプを作って試運転する。各現場の意見を聞いて、また改善していく…という流れでシステムの完成度を高めていきました。現在のシステムは、バージョン56まできていますね。

当社の複雑なルールをシステムに落とし込んでいくには僕1人では限界があったので、開発にあたっては直接現場とNTTデータ北陸とやり取りしていただくこともありました。場合によってはNTTデータ北陸の担当者の方から「もっとこうしたほうがよくなるんじゃないか」と、仕様や運用改善の提案までしていただき、大変助かっています。

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NTTデータ北陸システム担当者との打ち合わせの様子

Q.これから取り組んでいきたいことはありますか?

現在は直営店のみ予約タブレットを導入していますが、現在は、北陸のFC店舗でも予約タブレットを導入し、さらなる受注作業の効率化を図っていく予定です。

また、これからは予約タブレットをはじめ、人がやらなくてもいい作業は全てデジタル化・自動化させ、収集したデータを活かし、事業や業務のあり方そのものを見直し、変革していく、まさにDXの必要があると思っています。その一環として取り組み始めたのが、製造現場の見える化(IoT)です。製造される商品は、赤外線センサーを使い、自動集計しています。これもいままでは全て手作業で行っていた作業ですね。いまある基幹システムを元に、どんどん機能を拡充させ、企業にとってより付加価値を高めるための活動につなげていきたいです。

またいずれは、いつでもどこでもデータを閲覧・入力できるよう、クラウド上でデータの管理をしていきたいと考えています。新たな機能を追加するにしたがってデータの容量も大きくなるため一筋縄ではいかないかもしれませんが…その点についても当社にとっての最適な方法を一緒に考えてほしいですね。

これまでも当社は「店はお客様のためにあり、従業員、取引先と共に栄える」という経営理念の元、お客様ファーストで商品・サービスの充実化を図ってきました。時代や社会情勢が移り変わる中、これまで通りのアナログなやり方ではおそらく続けていけなかったでしょう。また、当社の経営目的として掲げている「三方善しの経営(お客様善し、従業員善し、地域社会善し)」を実現させていくためには、お客様だけではなく従業員や地域社会に対していかに貢献していくことができるのか、という点が肝になってきます。これからも「三方善し」に向けて、当社と共に歩んでいってもらいたいです。

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